心臓病のリスクも上がる⁈「味付けの濃い食事」が体にもたらす危険とは

ソース: サンキュ! / 画像: Getty Images /著者: Miho Yamana

「味付けが濃い食事は健康によくない」と言いますが、なぜいけないのでしょうか。

濃い味付けの食事によって引き起こされる健康リスクや、薄味でも食事を楽しむコツなどをなかざわ腎泌尿器科クリニック院長の中澤佑介氏に聞きました。

Q.味付けが濃い料理がいけないとされる理由はなんですか?

味付けが濃い料理がいけないとされる理由には、下のようなものが挙げられます。

・塩分・脂肪や糖質の過剰摂取となり、健康に悪影響を及ぼす可能性がある
・食欲を増進させ、食べ過ぎが肥満や関連疾患のリスクを高める
・消化器官に負担をかけ、胃の不調や消化不良を引き起こす

Q.味付けが濃い料理を食べ続けると、どんな健康トラブルが起こりますか?

濃い味付けの料理を継続的に摂取すると、以下の健康トラブルが起こる可能性があります。

・高血圧:高塩分の食事が血圧を上昇させる
・消化不良:濃い味付けが胃の不調や消化不良を引き起こす
・糖尿病:糖質の高い食品が糖尿病の発症リスクを高める。糖尿病は血管障害の発生や進行の原因要素となる
・肥満:メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)が、生活習慣病(高血圧・糖尿病など)のリスクを上昇させる
・心臓疾患:高脂肪や高塩分の食事が冠動脈(かんどうみゃく:心臓に栄養と酸素を運ぶ血管)の流れを悪くし、心臓の病気になるリスクを増加させる

Q.自分が濃い味付けを好んでいるか、セルフチェックする方法はありますか?

自分が濃い味付けを好んでいるかどうかをチェックする方法として、以下のアプローチが役立つでしょう。

・食事日誌をつける:食事の内容と味付けについて記録し、傾向を把握する
・健康専門家と相談する:栄養士や医師に相談し、食事習慣を評価してもらう
・食事の多様性を確保する:様々な味わいや調味料を試して、どんな味を好んでいるかを知る

Q.これまでの味付けが薄いと感じるようになった場合、どのような原因が考えられますか?

味付けが薄いと感じるようになる原因はさまざまです。年齢・健康状態・薬の影響・食事習慣の変化の他に、一時的なストレスや疾患、特定の食事制限も味覚に影響を与えることがあります。高齢になると味覚が鈍化することも原因となり得ます。

Q.薄味で食事を楽しむためにできる工夫はありますか?

薄味で食事を楽しむための工夫は次の通りです。

・食材本来の味を引き立てる、シンプルな調理法を選ぶ
・ハーブやスパイスを使って風味を引き立てる
・自然な風味を楽しめる新鮮な食材を選ぶ
・食事を急がずゆっくりと食べ、味を楽しむ時間を持つ

これらの工夫で、薄味の食事も満足感を持って楽しむことができます。

「濃い味付け」から「薄い味付け」へ。できることから始めよう

味付けの濃い食事をやめるために専門家に教えてもらったことの中でも、すぐにできるのが「ゆっくりと食べて食事を楽しむ」ではないでしょうか。いつもより時間をかけて食事をするよう、心がけてみましょう。

また、食感を楽しめるおかずを用意したり、彩りよく盛り付けたりするだけでも食事の満足度が上がりそう。孤食を避け、家族が一緒に食事をする場面を増やすのもいいですね。家庭でできることから始めて、健康的な食生活を目指しましょう。

訪談/文字:Miho Yamana(Instagram@mihoyamana ”)
編輯:謝謝!編輯部